声がれの原因が、癌や大動脈瘤のこともある
2018.06.13
もう一つのどの病気で緊急性を要する可能性のあるのは、反回神経麻痺です。嗄声(声がれ)は、声帯炎や声帯ポリープでも起きますが、声帯を動かす神経である反回神経の麻痺でも起きます。
反回神経は脳から出る神経の一つである迷走神経の枝ですが、一旦胸の中まで降りて行って、大動脈の周囲を回って上に戻ってきて喉頭に入ります。このため喉頭の病気ではなく、甲状腺の癌や、胸の中の病気、例えば大動脈周囲のリンパ節の腫瘍や、そして大動脈瘤で起こることがあるのです。急な反回神経麻痺は、大動脈瘤の悪化を示す場合があり、それは命の危険もある状態です。
ですから、そういう怖い病気になりやすいある程度以上の年齢の方の声がれでは、明らかにカゼに引き続いた炎症と考えられる場合は別ですが、内視鏡を使って声帯あるいは喉頭を直接見る必要があります。