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睡眠時無呼吸

2018.06.13

睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す状態を、睡眠時無呼吸症候群と言います。睡眠時無呼吸症候群では、十分に睡眠がとれず、昼間の眠気、集中力の低下、倦怠感といった症状が起きます。場合によっては、居眠り運転による事故を起こしやすくなる場合もあります。また、酸素不足のため、不整脈や心不全の原因になることがあります。

 

睡眠時無呼吸症候群の多くは、閉塞性と言って、睡眠時に咽頭や舌の筋肉の緊張が緩んで、咽頭が塞がることで起こるものです。従って、いびきを伴います。ひどいいびきをかいていたと思ったら、ぴたっと呼吸が止まり、しばらくしてまたひどいいびきをかき出す、というのが典型的な例です。また、高度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満を伴います。

 

耳鼻科では、まず鼻や咽頭に、睡眠時の閉塞の原因や増悪因子になる疾患がないかを観察します。その上で当院では、簡易的な検査機械を貸し出しして、自宅で呼吸と血液の酸素濃度を記録し、そのデータを解析して診断をしています。

 

ある程度以上重症だと、簡易検査だけで診断がつけられることがあります。

 

簡易検査の結果がグレーゾーンだった場合や中枢性の無呼吸などが疑われる場合は、一泊入院して睡眠時の呼吸の状態や脳波などを調べる、終夜睡眠ポリグラフが診断のために必要です。その場合や、治療として耳鼻咽喉科の手術が必要と考えられるときは、耳鼻咽喉科、精神科(睡眠)、内科、小児科、米国睡眠学会認定技師、栄養士、放射線技師、看護師などがチームを組み、睡眠時無呼吸症候群だけではなくあらゆるタイプの睡眠障害の診断治療を行っている専門病院(太田総合病院/太田睡眠障害センター)をご紹介しています。

 

太田睡眠障害センターが遠方である、検査予約がなかなか取れないなどで、受診が難しい場合は、他の専門施設をご紹介する場合もあります。

 

睡眠時無呼吸症候群では減量などが有効ですが、ある程度以上の重症例では、CPAPと言って鼻にマスクをつけてのどに空気を送り込み、咽頭が塞がらないようにする方法が治療の基本になります。

 

簡易検査で明らかな診断がついた場合は、当院でCPAPを開始することもあります。

 

ただし、以下の方のCPAPは、管理が難しく、当院では行っていません。

1 タクシードライバーやトラックの運転手など、運転を職業とされている方

2 極度の肥満や、心臓病、肺疾患をお持ちの方