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嗅覚検査

2024.09.16

嗅覚障害の原因として一番多いのは副鼻腔炎です。好酸球性副鼻腔炎が典型的ですが、他の副鼻腔炎でも嗅覚障害は生じることがあります。複雑な味覚は嗅覚の助けがあって感じますので、嗅覚が鈍くなると味覚も弱く感じます。

 

当院では、鼻腔の観察に特化した細径内視鏡で嗅裂などを観察し、副鼻腔CT撮影を行います。また、日常のにおいアンケートで嗅覚障害の程度を評価した上で、必要に応じて、オープンエッセンスという新しい方法で、嗅覚検査を行っています。

 

 

嗅覚の検査は、耳の検査に比べると、遅れていると言わざるを得ません。患者さんに匂いを嗅いでもらって分かるかどうかを答えてもらうという自覚的検査しかありません。

 

(1)嗅覚同定検査

いくつかの種類がありますが、当院ではオープンエッセンスという検査を、必要に応じて行っています。マイクロカプセル化した12種類の嗅素が印刷されたカードを用いて検査します。この検査は、基準嗅覚検査とも十分な相関があります。

 

(2)基準嗅力検査:5種類の匂いを8段階の濃度で嗅いでもらいう検査。日本ではこれが標準的な検査となっていますが、5種が日常生活で経験する匂いとは限らず、本格的な換気設備が必要なため、大学病院などの嗅覚専門外来でないと難しい検査です。(当院では行っていません)

 

(3)静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)

ビタミン剤であるアリナミン注射液には強烈な匂いがあり、それを静脈注射して匂うかどうかを確かめる検査。血液循環で肺に至った匂い成分が、吐く息と共に鼻の後方から入って匂いを感じさせます。嗅覚低下、嗅覚脱失があるかどうかの判断はできますが、障害程度を判定することはできません。従って治療効果の判定にも向かないし、匂いを識別する検査の機能もないため、当院では行っていません。

 

(4)日常のにおいアンケート

あくまでアンケートで検査ではありませんが、20種類の匂いについての質問で、嗅覚基準検査やオープンエッセンスとも強い相関があり、障害程度や匂いの識別能を知る目的匂いて、臨床上は他の検査と遜色ありません。