めまいと赤外線眼振検査
2018.06.13
めまいには、ぐるぐる回る回転性、ふらふらする浮動性、目の前が暗くなる失神性があります。一般的には、回転性のめまいは、内耳の病気が多いと言われますが、そうでない場合もあります。
眼振というのは、めまいの時に起きる眼球の異常な動きで、これによってめまいの診断のために必要なことが、いろいろ分かります。眼振は何かを見ていると抑制されて分からなくなります。暗闇で何も見えない状態を作ると、眼振がはっきり出ますが、暗闇では目の動きも見えません。そこで、目隠しをして暗闇の状態をつくり、赤外線カメラでそれを観察したり記録したりする装置が工夫されました。それが赤外線眼振検査装置です。
めまいを訴える方は結構多くいらっしゃいます。心配のないものもあれば、早急に治療を要する病気の方もいらっしゃいます。赤外線眼振検査装置によって、めまいの患者さんの診断を、より正確に行うことができます。
めまいの検査としては他に、姿勢制御の検査、小脳症状の検査などを行います。めまいで一番怖いのは小脳の病気ですから、それはしっかり鑑別しなければなりません。
他に血圧を姿勢を換えて測定します。寝た姿勢から起きた姿勢になると、重力に逆らって血液を脳に届けなければなりませんから、血圧は少し上がるぐらいでちょうどいいのですが、それが下がってしまうことがあります。血圧が下がってしまうと、脳に十分な血液が行かなくなりますから、めまいが起きたり意識がボーとなったりします。起立性調節障害と呼ばれる状態です。血圧あるいは血液の循環の調節をしている自律神経の働きが悪くて起きることが多いです。
内耳は自律神経で胃とつながっており、そのため内耳性のめまいの発作時には吐きけや嘔吐が起きます。また内耳は頸部の筋肉とも神経でつながっているため、肩こり、さらに頭痛が起きることも多いです。これらに対する、対症療法も必要になります。
次に代表的なめまいの病気をあげます。大きく分けると次の①〜④の4つあります。