新検査ワイドバンド・ティンパンノメトリーで分かること。
2018.09.13
聴力検査では、250ヘルツから8000ヘルツまでの範囲の聴力を測定します。これぐらいの範囲が、一般の生活で特に必要な音ということになります。
ティンパンパノメトリーは、外耳道の圧力を変えながら、226ヘルツという比較的低い1種類の周波数の音の、鼓膜の奥への伝わりやすさを見る検査です。主として中耳に貯留液があるかどうか、そして中耳の気圧の調節ができているかどうかを知るための検査です。
しかし、ティンパノメトリーで検査する音の伝わりも、周波数(音の高低)によって異なるので、通常の226ヘルツで正常に見えても、他の周波数では異常がある場合もあります。逆に同じBタイプでも、他の周波数では違う結果が出ることがあります。また小さいお子さんでは226ヘルツでは正しい検査結果を得ることができず、1000ヘルツで検査するのが良いとされています。
ワイドバンドティンパンノメトリーは225ヘルツから8000ヘルツまでの周波数を連続的に検査するティンパンノメトリーです。従来のティンパノメトリーと比べて、中耳の状態について格段に詳しいことまで知ることができます。
検査にかかる時間も、検査料も従来のティンパノメトリーと同じで、患者さんの負担は増えません。
また、同じ検査機械で、耳小骨筋反射という検査もできます。耳小骨というのは、鼓膜から内耳に音を伝える小さな骨ですが、耳小骨筋はその骨についていて、あまりに大きな音が入ってきたとき、反射的に収縮して音の伝わりを弱め、内耳を守る働きをしています。耳小骨が外れてしまっている時には耳小骨筋反射が検出されなくなります。またその反射は、顔面神経の一部によって起きますので、顔面神経麻痺では反射が起きなくなり、その診断にも役立ちます。