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新しい2.7mmの極細内視鏡を導入

2020.06.27

今春新しいファイバースコープ(内視鏡)(ドイツのカール・ストルツ社製)を導入しました。

 

直径が細い

長さが必要最小限

先端の角度を広くつけられる

 

内視鏡です。

 

それにより

 

1 幼小児の鼻咽腔を、痛みと恐怖感なしで見られる

2 今まで見ることができなかった嗅裂、副鼻腔入口部が見える

3 新生児、乳児の喉頭も見られる

 

1 幼小児の鼻咽腔を、痛みと恐怖感なしで見られる

鼻咽腔とは、鼻とのどの境に当たる部分ですが、鼻からも口からも直接見ることができないので、内視鏡が必要となります。ここにあるアデノイド(咽頭扁桃)は、小児ではしばしば肥大していて、鼻副鼻腔炎、中耳炎、睡眠時無呼吸の原因になります。

 

細く短いこの内視鏡は、従来のものに比べて、実際小児の身体への負担が少ないばかりでなく、見た目の恐怖感も少ないようです。先日も、この内視鏡でアデノイドも観察した上で、睡眠時無呼吸のお子さんをアデノイドと口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)の手術目的で病院に紹介したら、手術は予定したが、お子さんが泣いて暴れたので、アデノイドの観察ができず、日を改めてもう一度行うという返事をいただきました。当院で問題なく検査ができたのは、使った内視鏡の差もあったかも知れません。

 

2 今まで見られなかった嗅裂、副鼻腔入口部が見える

成人の鼻副鼻腔炎嗅覚障害にも、この内視鏡は威力を発揮します。通常の内視鏡では、嗅裂と呼ばれる鼻の中の匂いを感じる部分や、副鼻腔の入口は、狭すぎてなかなか見えないのですが、この内視鏡ではかなりのところまで観察できます。

 

3 新生児、乳児の喉頭も見られる

新生児、乳児でのどの観察が絶対に必要な病気があります。例えば、喉頭の軟骨が弱いため 吸気時に喉頭の狭窄をきたし、吸気性喘鳴、閉塞性無呼吸をおこす、喉頭軟化症という病気などです。

 

あまり小さいお子さんだと、鼻やのどが狭いので、通常の内視鏡を入れることができませんが、この内視鏡なら必要なら新生児の喉頭の観察も可能です。