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鼓膜画像ファイリングシステムと急性中耳炎

小児耳鼻咽喉科

急性中耳炎

 

細菌が鼻の奥にある耳管を通って、中耳に侵入するのが主な原因ですが、ウイルスによる中耳炎もあります。

風邪がきっかけになることが多く、熱、耳が痛いなどの症状が出ます。

しかし小さいお子さんでは、症状を訴えられないこともあります。

不機嫌、夜泣き、原因不明の熱、耳をいじるなどが、中耳炎のサインです。

 

 

大人でも小児に比べると少ないですが、急性中耳炎は起こします。特に大人の場合は、内耳まで炎症が波及して、強い難聴を発症することもあります。

急性中耳炎の悪化と改善

内視鏡で撮影しファイリングシステムで記録した、同一のお子さんの鼓膜です。簡単には治らず、長引いたり、治っても再燃したりすることが多い病気です。そのような難治性中耳炎は、2歳未満のお子さんに多く見られますが、滲出性中耳炎に移行することもあります。

 

治りを悪くする因子

  • 年齢:0、1歳が最も耳が弱く、2歳以降はだんだん丈夫になります。

  • 細菌:抗生物質の効きにくい菌が増えています。

  • 季節:冬(風邪の季節)

  • 病気:副鼻腔炎、アデノイド

  • 環境等:集団保育、兄弟の風邪、親の喫煙

  • その他:口蓋製、ダウン症

家庭での注意点

  • 鼻汁を貯めない、すすらない(片方ずつやさしく鼻をかむ、親が吸ってあげる)

  • 寝ながらの授乳を避ける

  • 風邪を予防する(ご兄弟も含め、うがい、手洗い)

  • 風邪をひいたら、水泳はしない、おしゃぶりを避ける

鼓膜画像ファイリングステム

当院では小児の受診時に毎回鼓膜の内視鏡写真を撮影してファイリング・システムに記録しています。

これにより、中耳炎を早期に診断して軽いうちに治したり、進行すると怖い先天性真珠腫のような病気を、初期のうちに見つけることができます。

なぜ鼓膜内視鏡写真のファイリングが必要なのですか?

小さいお子さんは中耳炎を起こしやすく、痛みや難聴を訴えないため、保護者の方が気づかず、鼓膜を見て初めて中耳炎が分かることがしばしばあります。鼓膜の正確な様子は内視鏡でないと見えないし、小さな変化は毎回記録して比べないと分かりません。中耳炎を早期に診断したり、病気を見逃さないために、鼓膜内視鏡写真のファイリングは必須であると考えています。

鼓膜内視鏡検は費用が必要ですか?

費用はかかりません。当院では鼓膜内視鏡は、診察の一部として行っています。